Brand "JAPAN"
2009-07-08


実際に色々な分野で既に棄損していると思います。


工業製品がコピーとの終わりの無い戦いを続けているのは

広く知られているでしょうが、

戦うべきフィールドは工業製品にとどまらないはずです。



シャンパンが何故長きにわたって他の発砲ワインに対するプレミアムを

維持できているか?

それは決して、商品の研鑽だけの結果ではありません。

"Champagne"というブランドを共有資産として育て、守るための

業界全体での努力があってのことです。


事実、この業界横断での協力の枠組みが無かった時代、

"Champagne"ブランドは供給過多とFree Riderによる粗悪品の氾濫で

一度地に落ちました。



ちなみに一点強調しておきたいのですが、自分は、

"Japan"のものは常に日本のホンモノと全く同じでなくてはいけない、

と言っているわけではありません。


レストランの例でいえば、その場所の人々の趣向に合わせた

Localizeはもちろん行われるべきだし

そのようなレストランが増えることは、むしろ喜ばしいと思ってます。


日本に数ある“中華屋”は、中国人に言わせればマガイ物でしょう。

でもリーズナブルな値段で日本人好みの味を提供し、

日本人の生活に溶け込んでいます。

こういう形で和食が広がっていくのは大歓迎です。


だって我々は街の中華屋とホンモノの中華は別の物ととらえているし、

少々評判が悪い店があろうが、それが“中華料理”というブランドを

傷つけることはないから。


重要なのは明確なホンモノとそれ以外との区別であり、

それがブランディングの肝だと思うのです。



我々日本人は、主に商品やサービスそのものへの真摯な努力を

地道に積み重ねることによって

"JAPAN"というブランドを築いてきました。

それはとても素晴らしいこと。これからももちろん続けるべきこと。


でもこれからの、

日本の相対的な競争力は落ちざるを得ない状況に際しては、

結果としてついてくるものとしてではなく、

意志を持って戦略的に"JAPAN"ブランドを築くこと、守ることも

決して欠いてはならないことのはず。



コスプレからずいぶん話が膨らんだもんですが、、。

でも帰国に際しての今の素直な気持ち。

戻る
[社会]
[雑感]

コメント(全2件)
コメントをする


記事を書く
powered by ASAHIネット